歯周病や虫歯がさまざまな生活習慣病病や全身に影響する?
こんにちは!歯科医師の大場です!
今回は虫歯や歯周病などの慢性の炎症が存在すると
全身の病気などに影響するといったお話をしていきます。
特に近年わかってきたのが
歯周病が動脈硬化を含む心血管疾患、2型糖尿病
関節リウマチ、アルツハイマー病、特定のガンなど
他の慢性疾患に関連することです。
これらは慢性の炎症を伴う疾患であるということです。
これらがどちらが原因とはまだはっきりとは言えないのですが
お互いに影響し合っていることが考えられます。
特に最近の研究では、口や腸の細菌叢が
脳の病気を引き起こすメカニズムが明らかになりつつあります。
アルツハイマー病は脳細胞が減少し、脳が萎縮することで
引き起こされます。
アルツハイマーは認知症の原因で最も多い疾患で
80歳で20%以上がアルツハイマー型認知症と言われています。
日本ではすでに300万人ほどの患者さんがいますが
今後の日本の今の流れではさらに増加してきます。
近年このアルツハイマー病と歯周病の関連を
示す論文が多く報告されています。
これに関して根拠となっているのは
歯周病の原因菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg 菌)が
多くのアルツハイマー病患者の死後の脳サンプルから
検出されたことです。
これに関連してかプロバイオティクスによって
人やマウスの腸内細菌叢に変化が起こると
認知機能が改善するとの報告もあります。
このことから口の中の細菌叢を改善することで
高齢者の認知能力を改善するかもしれないです。
このあたりはまだまだ発展途上の分野なので
今後の研究に期待されています。
また虫歯の原因菌であるミュータンス菌は
人のコラーゲンとがっちり結合することができます。
そのことから人の血管や心臓弁などからも検出されています。
特には感染性心膜炎の患者の血液からもしばしば
分離されます。
脳卒中にも関連しているとも言われています。
現在では上記の通り、歯周病菌だけでなく
虫歯の菌も全身疾患と関わりがあります。
まさに当院の理念の一つである健口から健康へと繋げていくことが大事です。
さらにこのことをきちんと当院では患者さんに伝えていきたいと思います。