問診票について②
こんにちは!歯科医師の大場です!
今回は前回の問診票にもつながる歯と全身疾患の関係についてお話していきます
歯科の2大疾患である虫歯と歯周病は様々な全身疾患と関連していることが報告されています
特に歯周病は現在100以上の病気と関係があると言われています。
その中でも大きく関わっているものを今回はお話していきます
①心臓疾患・脳血管疾患
歯周病により傷ついた歯肉の血管から細菌や毒性物質が入り、全身に行き渡ります
歯周病菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て、血管内の通り道を細くしてしまいます
そうしたことにより、血の塊ができると血管に詰まってしまうことがあります
歯周病の人は約2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています
血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は動脈硬化のリスクがあるため、歯周病の予防や治療も重要となります
②糖尿病
歯周病菌は歯茎から血管に入ることによって死んでしまいますが死骸の持つ内毒素を撒き散らします。血糖値に悪影響を及ばし、血糖値を下げるインスリンの働きを邪魔してしまいます
相互に悪影響を及ぼしますが歯周病の治療で糖尿病も改善することがわかってきています。
実際これが絶対というわけではありませんが、
当院の患者さんで重度の歯周病の歯が多数あり抜歯をせざるを得なかったですが
その後、糖尿病の数値、血圧が改善してきたという場合もあります。
③低体重児早産
妊娠している女性が歯周病になっている場合、低体重児および早産の危険性が高くなることが指摘されています
歯周病菌が胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれており
危険率は7倍にも上るというデータがあります
これはタバコ、アルコール、高齢出産などよりはるかに高い確率です
④誤嚥性肺炎
食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です
高齢になると飲み込む力が衰えて物と一緒にお口の中の細菌を誤嚥してしまうことにより発症します
免疫力の衰えた高齢者では命に関わる病気になるため
日頃のセルフケアは大切です
⑤骨粗鬆症
骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として重要と考えられるのが、エストロゲンの欠乏です
エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が少なくなると歯を支える骨も脆くなります
歯周病にかかりやすく、広がりやすくなってしまう状態にあるため、多くの研究で骨粗鬆症と歯の喪失は関係性があると報告されています
⑥関節炎・腎炎
発症する原因の一つとしてウイルスや細菌の感染があります
多くは歯周病原生細菌などお口の中に多く存在しているため、近年慢性関節リウマチとの関係が深いことが注目されています
さまざまな疾患が歯周病との関連があり、
おおば歯科クリニックは歯だけではなく全身の状態とお口の中の状態を照らしあわせて日々の診療を行なっています
そのため、問診を大切にしており全身の状態もしっかり確認するようにしています。
人生100年時代の今『食べること』『話すこと』『笑うこと』を担う歯はお口は日々の生活の重要なことであり、幸せもここから生まれることが多いのではないでしょうか?
歯はあまりにも身近でその大切さは失ってから気づく方が多いのが現状です。
この先の長い人生で『美味しくご飯を食べること』『楽しくお話すること』『素敵な笑顔で笑えること』ができるように歯の健康を大切にしていきましょう!