歯石取りって何回も通うの?
こんにちは、おおば歯科クリニックです。
久しぶりに歯医者さんに行って虫歯などはなくても、歯石取りだけで何度か歯科医院に通ったご経験がある方は多いのではないでしょうか?
「歯石取りだけなら1回で全部やってほしい」そう思われる方も多いと思います。
ですが実はこれ、歯医者さんが意地悪しているわけではないのです。
それではなぜ歯石とりに何度も通院しなければならないのか?
以前のブログで歯周病についてのお話しをしてきましたが、今回はなぜ歯石を取るのに回数がかかるのかに焦点を当てていきます。
日本には国民皆保険という制度があり、誰もが何らかの公的医療保険に加入しています。
そのため、病気や怪我で医療機関を受診したときに実際にかかる医療費の3割(年齢や収入によって負担額は変わります)の窓口負担で済んでいて、残りの医療費は医療保険からまかなわれています。
皆さん医療機関受診の時には健康保険証を提示しているかと思います。医療なので「病気または怪我などで治療が必要」と判断されないと保険が使えないのです。
皆さんが納付している医療費を使うので医療機関が勝手に使うことはできません
そのため医療機関では「診査、診断」があり、それに対する「治療」、治療によりどうなったのかの「再評価」が必要になります。
治療に対する責任が医療側にもありますし、正しく医療が行われているのか国が審査します。
これを歯石取りのお話に置き換えると、歯周病という診断がつかないと保険での歯石取りはできない事になります。歯石を取ったからには医療機関はその後の歯や歯茎などの経過を見なくてはならないのです。
そのため『今日はクリーニングだけやってもらいたい』というのは医療保険でのルールではできません。
そのため歯石取りだけだったとしても何度かに分けて行う必要があるのです。
保険上のルールがある事はここまでで理解していただけたかと思います。
歯石除去を汚れ取り・クリーニングと軽く考えがちですが、歯石の除去はお口の中の健康を獲得する上において必要不可欠な歯周病治療の一つで、ただ汚れをとるだけではないのです。
歯周病治療には世界的にコンセンサスの得られた適切な手順や流れを定めたガイドラインがあります。これは以前のブログでも紹介した歯周病の基本治療、初期治療になります。
歯石の量などにもよりますが、歯茎の回復などしっかり確認し、正しい手順を踏み正しく歯周病治療を行なうと、どうしても時間や回数が必要になってしまいます。
歯周病の原因はプラーク(歯垢)です。これは食べカスではなく、細菌の塊なのです。特に、歯ぐきの溝の中はプラークが溜まりやすく、深くなればなるほど歯ブラシの毛先が届かず、酸素の少ない場所を好む歯周病菌が住みつきやすい環境になっています。毎日歯磨きをしていても細菌は無くならないのです。
歯周病は1日2日でなるものではありません。細菌の感染が長い間続いてしまうと進行してしまう生活習慣病の1つです
そのため、病気を改善するための治療には時間がかかるのです。
保険診療は加入している人全てに平等に医療を提供するために存在しています。
ここまでで、なぜ歯石を取るのに回数がかかってしまうかご理解いただけたでしょうか?
当院では歯周病治療に積極的に取り組んでいます。
来院お待ちしております。
坂戸市北坂戸駅より徒歩12分の歯医者
おおば歯科クリニック
埼玉県坂戸市上吉田210−1